2020/08/28
9歳、ヨークシャーテリアの男の子の症例です。
頻回の嘔吐、元気の低下を主訴に来院されました。
数日間の対症療法を行いましたが、症状は改善せず、食欲の低下を認めたため、入院し血液検査、レントゲン検査、超音波検査を行いました。
血液検査で電解質バランスの乱れが認められ、超音波検査では小腸(空腸)内に異物を確認しました。
小腸内異物は閉塞を起こしてしまう危険性があり、放っておくと腸に穴が開いてしまったり、壊死してしまう場合があるので緊急的な処置が必要となります。
そこで電解質の補正を行いつつ、手術にて異物摘出を行いました。
幸い、腸管の穿孔や壊死は見られず無事に異物摘出する事ができました。
異物は植物のように見え、酸化して黒くなっていたため長期間胃のなかに存在し、その後小腸に移動してしまったのではないかと考えられました。胃の中に存在する異物は長期間胃内停滞する事があります。実際、数年前に誤食した異物が見つかるケースもあります。
術後の経過はよく現在は元気になってくれました!