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皮下肥満細胞腫 12歳 ミニチュアピンシャー

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12歳、ミニチュアピンシャーの男の子の症例です。

定期的に起こる左頸部の腫脹に気付き来院されました。

超音波検査にて頸部皮下に腫瘤(しこり)を認めたため、針吸引生検を行いました。

検査の結果、皮下肥満細胞腫と診断しました。犬の肥満細胞腫は多くが真皮や皮下織に発生し、所属リンパ節を経て、肝臓や脾臓に病巣を形成します。さらに進行すると骨髄へ浸潤したり末梢血へ出現する事もある腫瘍です。

現状を把握するためしっかりと全身状態を検査し、手術予定計画を作成した上で手術を行う事としました。

水平方向、垂直方向に十分なのりしろを確保(拡大切除)し、腫瘤を切除しました。また、同時に近傍のリンパ節を郭清しました。

術後、病理組織学的検査では皮下肥満細胞腫、完全切除、リンパ節転移なしと診断されました。

皮膚・皮下肥満細胞腫は増大・縮小を繰り返す事があるため、腫瘤が小さくなったから安心ではなく繰り返す場合は、積極的な検査を実施する事が必要です。